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フリーランスは自信を持って条件交渉すべし

2日前の夕方、知らない番号から電話がかかってきた。
出てみると、2か月前まで派遣でお世話になっていたM建設会社の現場所長。新規の工事が取れたので、また手伝ってくれないかという内容だった。
今度はCADオペではなく、一般事務…というほど、仕事のボリュームがあるわけでもない。とりあえず事務所に来て、座っていてくれるだけでよいのだと。

「週に何日くらい行けるかわかりませんけど…」

所長もこちらの事情はわかってくれているが、一応念押ししておく。

「そんなのは全然いい。来れるだけでいいし、事務所でも好きなことしててくれたらいいから」

で、所長としては直で来てもらった方が有難いが、派遣会社を通した方がよければそれでもよいと。
私としては、派遣で働くメリットなどひとつもないと感じていたので、迷わず「直でお願いします」と返答する。

実は、派遣会社(私の古巣)の営業担当と、ちょっと揉めたのだ。
私が元派遣営業であるのをよいことに「所長にこう伝えておいて」「これ聞いておいて」と、派遣先責任者である所長と直接話をせずに、なんでもかんでも私に押し付けてくる。
直接話せば一度ですむことも、私が間に入ることで何往復もしなければならないことになるというのに。
しかも、こちらが先回りして伝えておいた請求書の提出期限を忘却したらしく、「何日までに持っていけばいいんだったっけ?」と、就労開始から3か月くらいして聞いてくる。
「3日か4日じゃありませんでした? 忘れましたけど。前に伝えませんでしたっけ?」と言っても、「うん、じゃあ、もう1回所長に聞いておいて」と、まったく悪びれる気配がない。

あげくの果てに、私がピンで仕事をしていると知っていながら、単発の仕事や時給900円の長期の仕事を振ってくる始末。フリーっていっても、どうせたいした仕事してないと思ってたんだろうな。
あまりにもバカにした対応に頭にきて、営業所へ乗り込み、営業担当者とその上司ふたり並べて文句言ってやった。

多分、それで逆恨みしたのだろう。
2か月前、派遣最終日になっても担当者はあいさつにも来ず、「お疲れさまでした」の電話やメールの1本もないまま、今に至る。
派遣営業として在職していた頃にお世話になった支店の営業マンが「ありがとうございました」とメールをくれたので、営業所の担当者とその上司からは放置されていると告げ口したら、かなり憤っていたよ。
「支店長と一緒にお詫びに伺いたい」と言われたけど、お断りした。彼にはなんの恨みもないどころか、派遣就労中はよく担当者の愚痴を聞いてもらったりしたけど。会ってしまうと、愚痴程度ではすまなくなると思ったから。

そんなわけで、あんな会社に義理立てする必要はまったくない。
むしろ、M建設会社の現場の方々には本当によくしてもらったので、私としてはそちらとの関係を大事にしたいと思うのだ。

そして、その翌日。昨日のこと。
建設通信新聞で、M建設会社がその工事を落札したというニュースが出ているのを見た。どうやら所長、落札が決まってすぐに電話をくれたらしい。
夕方になって、M建設会社の人事課長から電話がかかってきた。条件のすり合わせをしたいとのこと。

さらに、翌日。M建設会社の人事課長に会いに行く。
それが、今日。

個人で仕事をするには、きちんと条件交渉もできなければならない。
人事課長とは1年ぶりにお会いするので、まずはあいさつ。軽く世間話をしたあと、

「私の希望、言ってもいいですか?」

と、切り出すと、

「どうぞどうぞ! SATOさんの希望、全部言ってください」

まず、形態としては雇用契約ではなく、業務委託契約でお願いしたいということ。
事務所に常駐できる日数や時間帯。
手が空いている時には自分の仕事をさせてもらいたいということ(でなければ、月に2~3日勤務でも難しい)。

そして、報酬。
前回の経験から、仕事のボリュームはだいたいわかっている。多分、まともに仕事があるのは月に数日。

つまり、お金もらって間借りして、自分の仕事しながら時々先方の仕事を手伝うという、よくわからないビジネスモデル(?)が成立するというわけだ。
とりあえず言えるのは、この条件で高い金額は提示できないし、とてももらえないということ。

「時給に換算して、1,000円と交通費を別でいただければ」

現場事務所にいる間は完全に拘束されるというのなら、事務仕事でも時給1,500円~2,000円はいただきたいところ。
だけど、これだけワガママ聞いてくれて、事務所でほかの仕事してもいいよって言ってくれているからには、これ以上吹っ掛けることはできない。
人事課長は少し驚いた顔をして、

「いや、でもこれは安すぎるんじゃ…」
「難しい仕事するわけでもないし、これ以上はいただけません」
「事務って言っても、時々図面お願いしたりすることもあるかもしれないんで…」
「それはかまいません。空いた時間には自分の仕事させてもらうので、これで十分です」
「でも、所長がこの金額ではウンって言わないでしょうし、とりあえずこの金額を最低ラインということにして、所長と相談します!」

もらう方が「これ以上いらない」と言っているのに、払う方が「これじゃ少ない」って、こんな価格交渉あるの?
でも、こういう気持ちは本当に有難いと思う。
B建設会社の社長にしても、私の提示したお高めの金額をそのままのんでくれた。だからこそ、今でもこうして仕事を続けているわけだし。
私という人間に価値を認めてくれているB建設会社とM建設会社には、今後も末永く尽くしていこうと思う。

派遣会社の時給なんて、スクールでCAD習っただけの素人でも、CADオペ歴10年のベテランでも、同じだからね。アホらし。
土木現場は初めてだから時給交渉しなかったけど、今思えばもっと吹っ掛けておけばよかった。

Published in フリーランス主婦の日常