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CADオペレーター七変化~目の前にはいつもCADオペの道(2)~

設計事務所で覚えた『Jw-cad』

専門学校を卒業すると、地元に戻って設計事務所に就職しました。
3年間勤めましたが、さまざまな事情が重なって一度も現場に出ることなく、ただ机上で図面を描く毎日。

…いや、図面を描いていた時間もせいぜい3年のうち半分程度だったかもしれません。
設計士としてキャリアアップするには悪いタイミングでしたが、いろいろな経験を積むことができたという意味では実のあった(と、今だからこそ思える)3年間でした。

作業環境は、ドラフターと上部にラックのついたデスク、資料を置くためのワゴンに囲まれた、ひとりあたり2畳程度の半個室(?)。今思えば、贅沢な空間でした。

ただし、ここでドラフターを使って図面を描いた期間は、わずか半年ほど。
そうです。私が勤めていた設計事務所にも、ついにCADが導入されたのです。

当時はまだJWC(DOS版)の時代

私が入社して半年後、県外の大手設計事務所でバリバリ仕事をしていた一級建築士が、Uターン就職で入社しました。私より5歳年上の女性設計士、Kさん。
彼女が、事務所の片隅にあった共用パソコンにDOS版の『Jw-cad』を入れてくれたのが最初でした。
当時、すでにWindows版のVer.0.01もリリースされていたようですが、主流はまだDOS版だったと記憶しています。

基本操作もすべて、Kさんに教えてもらいました。

「左手でマウス使うと便利だよ」

と教えてくれたのも、Kさんです。
CADオペレーターには多いのではないでしょうか? 左手マウス。
マウスから手を放すことなく、テンキーを打てる。図面をチェックできる。両方使えれば、手首が疲れたら右に持ち替えたりもできますよ。
非常に便利です。

CADで描いた図面の仕上がりのよさに気をよくした所長は、すぐさまひとり1台のパソコンを導入(所長と30代の先輩だけは、それ以降もドラフターで図面を描いていましたが)。

これが建築CADオペレーターの仕事だ!

当時、私が描いていた図面といえば、所長や先輩が描いたプラン図のトレース。そして、確認申請用の図面。図面だけでなく、確認申請書一式つくるのが、下っ端である私の仕事でした。
大変だったのは実施図面です。見本の図面を見ながら自分で描き、先輩に見てもらうのですが、赤ペンチェックのオンパレード。

「わからないことは聞いて」

と、先輩は言いますが、現場を知らない私は、とりあえず見本を真似て描くことしかできません。
見かねたKさんが、

「多分、何がわからないかもわからないんでしょ? 〇〇さん(先輩)は後輩を育てるのが下手ね」

と、助け舟を出してくれて、実施図面の描き方を一から丁寧に説明してくれたのを覚えています。

二級建築士の資格を持ち、設計士を夢見て入社した事務所でしたが、ここには私が設計士になる道は用意されていませんでした。
私が3年間やってきたことといえば、まさしくCADオペレーターの仕事にほかならなかったのです。

ちなみに、当時の月給は高卒の事務職の子よりも低かったと思います。設計事務所っていわば修業をする場所なので、お給料安いんですよね。

知人の紹介で在宅CADオペレーターに

私が働いていた設計事務所の所長は、自分の意に沿わないことがあると発狂し、怒鳴り散らし、誰彼かまわず「頭おかしいんじゃないか!」と、言い放つような人でした。
だから、社員の入れ替わりも激しく、長年居ついているのは独立当時から一緒に仕事をしている30代の先輩のみ。

私は3年間勤めましたが、CADを教えてくれたKさんは2年で辞め、私とほぼ同時期に入社した男の子は5年で、後輩の女の子も2年ほどで退職したようでした。

3年勤めたにも関わらず、現場を知らない、図面もまともに描けないことがコンプレックスとなって、私は建築業界を離れると、県外のweb制作会社へ入社しました。
しかし、ほどなく結婚が決まり、web制作会社は1年ほどで退職。地元へ戻り、入籍するのとほぼ同時に妊娠しました。
妊娠中なので、就職することはできません。しかし、仕事をせずにブラブラ遊んでいることに我慢がならず、私はインターネットで在宅の仕事を探すことにしました。
そこで、地元のweb制作会社がSOHOを募集しているのを発見。すぐにメールを送り、担当者と会うことになりました。

そこは、社長と社員1人、アルバイト1人の小さな会社で、担当者は40代女性社員のSさん。web制作業務と人材派遣業務を一手に担っており、Sさんひとりでは手が回らなくなったため、SOHOを募集することにしたそうです。
以降、ちょっとした仕事の依頼がコンスタントにくるようになりました。

在宅CADオペレーターへの第一歩

「SATOさんって、CAD使えるんでしょ? 在宅でCADの仕事する気ない?」

2~3年のブランクはあったものの、CADはまだ使える自信がありました。
ふたつ返事で引き受けて、後日、Sさんと連れ立ってクライアントのオフィスを訪問。
T企画設計というその会社は、保育園児や小学生が職場見学で訪問するような、いわゆる地元優良企業。地元で知らない人はまずいません。
Sさんの知人が、T企画設計の設計士をしているらしく、「在宅でCADの仕事してくれる人いない?」と、問い合わせがあったそうです。
ただし、「ウチは派遣は使わないから、個人的に紹介してほしいんだけど」という補足つきで。

こうして、私はSさんの紹介により、在宅CADオペレーターとして仕事を請け負うことになったのです。

続く……

Published in CADオペレーターになろう!